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相続時に必要な保険ってありますか?

相続は予測不可能な出来事です。2015年の相続税制改正により、より多くの家庭が相続税の対象となりました。ここでは、相続に備えて考えるべき保険の種類とその効果について掘り下げて解説します。

相続税制の改正と基礎控除の変更

2015年の相続税制改正では、基礎控除が縮小されました。この変更は、相続税が課される家庭を増やしました。具体的には、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に設定されています。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。

相続税申告の現状

国税庁のデータによると、令和元年には約138万人が亡くなり、そのうち約11万5千人(8.3%)が相続税の申告対象者でした。総相続税額は約2兆円で、1人当たりの平均相続税額は約1,714万円になります。

相続対策の重要性

相続税の納税は通常、相続開始後10ヶ月以内に行う必要があり、このためには現金の準備が必要です。特に不動産が主要な財産の場合、急な現金化が必要になることもありますが、時間的な制約があるために希望する金額で売却することが困難になる可能性があります。

“争族”問題への対応

相続を巡る家族間の争いは非常に困難です。このような“争族”を避けるためには、遺言の作成や生命保険の活用が有効です。遺言により、遺産の分配を明確に指定できますし、保険金は指定された受取人に直接支払われるため、遺産分割の対象外になります。

相続時の保険の役割

保険の利用法

  1. 遺産分割の円滑化: 保険金は特定の受取人に直接支払われるため、遺産分割の対象外となり、円滑な遺産分割を実現できます。
  2. 納税資金の準備: 保険金は現金で受け取れるため、相続税の納税資金として活用できます。
  3. 相続税の非課税枠の活用: 保険金には相続税の非課税枠が設けられており、相続財産を圧縮し相続税の負担を軽減できます。

二次相続への対策

夫婦の一方が亡くなった際の相続を一次相続、その後残された配偶者が亡くなった際の相続を二次相続と言います。一次相続で配偶者に遺産を全て渡すことは、二次相続での相続税額を増加させる可能性があります。したがって、一次相続時には二次相続の税負担も考慮した遺産分割が必要です。

まとめ

相続は予期せぬタイミングで発生するため、早めの準備が不可欠です。特に認知症になると相続対策が困難になるため、遺言の作成や生命保険、生前贈与の検討を通じて、相続税への準備と家族間のトラブルを避ける対策をしておきましょう。相続に関するご質問やご相談があれば、いつでも私たち税理士事務所までお気軽にお問い合わせください。