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宝くじの当選金に税金はかかるのか?知っておくべき税金の種類と非課税の方法について。

宝くじで高額な当選金を手に入れた場合、その当選金に対して税金がかかるのか気になる方も多いでしょう。結論から言うと、宝くじの当選金は「所得税」や「住民税」は非課税ですが、特定の状況では「贈与税」や「相続税」の対象になることがあります。

今回は、宝くじ当選金に関する税金の基本的な知識や、課税を避ける方法について詳しく解説します。

 

1. 宝くじの当選金は原則非課税

まず、宝くじの当選金は所得税や住民税の対象にはなりません。そのため、当選金額がいくらであっても、所得税や住民税はかかりません。確定申告の必要もなく、安心して受け取ることができます。

1-1. 非課税である理由

宝くじの当選金が非課税とされるのは、購入時にすでに税金が含まれているからです。宝くじの売り上げのうち約40%が住民税として自治体に納められ、地域の公共事業などに活用されています。このため、購入者が当選金に対して二重に税金を支払う必要がないように、所得税や住民税がかからない仕組みになっています。

この非課税措置は「当せん金付証票法」の第13条によって法的に定められています。

当せん金付証票法第13条
当せん金付き証票の当せん金品については、所得税を課さない。

1-2. 当選金に対する税金は確定申告不要

宝くじの当選金が非課税であるため、当選金額が大きくても確定申告をする必要はありません。納税の心配をせずに受け取れるため、高額当選でも税務署に申告する手間が省けます。

 

2. 贈与税や相続税の課税対象になる場合

宝くじの当選金自体は非課税ですが、家族や親戚に当選金を配分する際には注意が必要です。贈与税や相続税が発生する可能性があります。

2-1. 贈与税の課税対象になるケース

たとえば、宝くじで当選した金額を家族や友人に分け与えた場合、その金額が贈与税の課税対象となります。贈与税は、年間110万円を超える贈与に対して課税される税金です。以下の計算式で贈与税額が算出されます。

贈与税の計算式
(贈与金額 – 基礎控除110万円) × 贈与税率 – 控除額

たとえば、5億円を家族に贈与する場合、以下のように計算されます。

(5億円 – 110万円) × 税率55% – 控除額400万円 = 2億7039.5万円

このように、高額の贈与を行うと贈与税が非常に高くなるため、家族への配分には慎重な判断が求められます。

 

2-2. 相続税の課税対象となるケース

宝くじの当選金を相続した場合には、相続税がかかることがあります。相続税は、相続財産が基礎控除額を超えるときに発生します。

相続税の基礎控除額は次の計算式で算出されます。

相続税の基礎控除額の計算式
3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

たとえば、相続人が3人の場合は基礎控除額が4,800万円となり、この額を超える部分に対して相続税が課されます。

 

3. 課税を回避する方法:共同購入

宝くじを購入する際に共同購入という形を取ると、贈与税を回避することができます。共同購入とは、複数人で資金を出し合って宝くじを購入し、当選した場合に当選金をそれぞれの出資割合に応じて分配する方法です。

3-1. 共同購入で贈与税を回避する

共同購入者全員で当選金を受け取りに行き、それぞれが自分の名義で受け取ることで、贈与税が発生しません。この際に宝くじ当せん証明書を発行してもらい、共同購入による当選であることを証明することが重要です。

もし、代表者が当選金を受け取り、後から分配すると、贈与税が発生するため、注意が必要です。

 

4. 海外の宝くじに当選した場合の税金

海外旅行や出張中に購入した宝くじが当選した場合、その当選金は日本国内の宝くじとは異なり、課税対象となります。海外での当選金は、基本的に日本では「一時所得」として扱われます。

海外宝くじの課税計算式
(当選金額 – 基礎控除50万円) ÷ 2 = 課税対象額

たとえば、5億円の当選金に対して次のように計算されます。

(5億円 – 50万円) ÷ 2 = 2億4975万円
2億4975万円 × 税率45% = 1億1238万円

さらに、購入した国や地域と日本との間に租税条約が結ばれていない場合、二重課税が発生することがあります。これを防ぐために、租税条約の有無を確認しておくことが重要です。

 

5. 宝くじの当選金の受け取り方法

宝くじの購入方法によって、当選金の受け取り方法が異なります。それぞれの受け取り方法についても確認しておきましょう。

5-1. 宝くじ売り場で購入した場合

宝くじ売り場で購入した場合、当選金額に応じて次のように受け取ります。

  • 1万円以下:宝くじ売り場や銀行窓口
  • 1万円以上50万円未満:銀行窓口(5万円以下の場合、一部の宝くじ売り場でも受け取れる)
  • 50万円以上:銀行窓口(本人確認書類が必要)

 

5-2. インターネットで購入した場合

インターネットで購入した場合、当選金は登録した銀行口座に自動的に振り込まれます。当選金額に応じて振込時期が異なるので確認しましょう。

  • 1万円以下:お預かり当選金として一時保管され、申請または一定額に達すると振り込み
  • 1万円以上:支払開始日から1週間程度で振り込まれる

 

5-3. ATMで購入した場合

ATMで購入した宝くじが当選した場合、購入時に利用した銀行口座に自動的に振り込まれます。振込時期は金融機関によって異なるため、各金融機関の公式サイトで確認しましょう。

 

まとめ

宝くじの当選金は、基本的に所得税や住民税の課税対象にはなりません。しかし、当選金を家族や友人に分け与える場合には、贈与税や相続税が課されることがあります。そのため、当選金を配分する際には十分な注意が必要です。

共同購入という形であれば、贈与税を回避することができるため、家族や仲間内で高額当選が出た場合は、共同で受け取りに行くことをお勧めします。また、海外の宝くじに当選した場合は、日本国内での課税対象となり、二重課税のリスクもあるため注意が必要です。

高額な当選金を得た場合は、適切な税金対策を行い、トラブルを避けるためにも、税理士に相談することをお勧めします。