あなたの親族、成年後見人になれますか?なれるケースとなれないケースを解明!
2024年08月01日
「将来、父や母が認知症などで判断能力を失った場合…」と考えるとき、どのような法的支援が可能か理解することが重要です。この記事では、「成年後見制度」「任意後見制度」「法定後見制度」の内容や手続きの流れ、親族が成年後見人になれるケースおよびなれないケースについて詳しく説明します。また、「家族信託」についても触れ、参考情報を提供します。
成年後見制度とは?
成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力を失った成年者(20歳以上)の日常生活の世話や財産管理を行うための制度です。
- 成年被後見人:支援を受ける人
- 成年後見人:財産管理や生活面のサポートを提供する人
この制度には、本人がまだ判断能力を持っているうちに、信頼できる人(親族など)に後見の任を委ねる「任意後見制度」と、すでに判断能力を失っている場合に家庭裁判所が後見人を指定する「法定後見制度」があります。
任意後見制度:親族が後見人になれるケース
任意後見制度では、原則として成人であれば誰でも後見人になることができます。以下はその手順です。
- 本人が判断能力があるうちに、後見を委ねる人を選び、委任内容を決定します。
- 委任内容をまとめ、本人と共に公証役場で任意後見契約の公正証書を作成します。
- 法務局に後見人の情報が登記され、正式に後見人としての業務が開始されます。
法定後見制度:親族が後見人になれないケース
法定後見制度では、後見人を自由に選べません。家庭裁判所が後見人を指名し、以下の流れに従います。
- 本人の判断能力がないと認定された場合、申立てが必要です。
- 必要な書類を集め、家庭裁判所に提出し、後見開始の審判を申し立てます。
- 家庭裁判所が後見人を選出し、必要に応じて監督人も指定されます。
親族が後見人になれない事由には以下のようなものがあります。
- 未成年者
- 破産者や免責未許可の者
- 利害関係がある場合
- 本人との関係が希薄な場合
家族信託の活用
家族信託は、本人が自身の財産を信頼できる家族に託し、その家族が財産の管理や処分を行う制度です。家庭裁判所を通さずに設定可能であり、任意後見制度と比較して手続きが柔軟です。
まとめ
成年後見制度には「任意後見制度」と「法定後見制度」があり、それぞれの状況に応じて選ぶ必要があります。また、「家族信託」も選択肢として検討する価値があります。それぞれの特徴を理解し、最適な選択を行いましょう。