遺言書作成でよくあるトラブルとは?無効になる原因と確実な残し方
2026年10月28日
皆さん、こんにちは。ぎふ遺言・相続支援センターです。
ご家族の将来を思いやり、「自分が亡くなった後に子どもたちが揉めないように」と遺言書の作成を検討される方が増えています。終活の一環として、ご自身の財産の行方をしっかりと決めておくことは、残されるご家族への何よりの思いやりです。
しかし、せっかく家族のために書いた遺言書が、書き方のルール違反で「無効」になってしまったり、内容が曖昧だったためにかえって家族間の争い(いわゆる「争族」)を引き起こしてしまったりするケースが後を絶ちません。
「遺言書さえあれば安心」と思い込んでいると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。そこで今回は、遺言書作成においてよくある失敗例やトラブルの事例、無効になってしまう主な原因を解説するとともに、確実に思いを残すための方法についてお伝えします。
1. 遺言書が原因で「争族」になる?よくあるトラブル事例
遺言書は、ご自身の財産を「誰に」「何を」「どれくらい」渡すのかを指定する強力な法的手続きです。しかし、その書き方や内容に配慮が欠けていると、かえって残された家族を悩ませることになります。まずは、よくあるトラブル事例を見ていきましょう。
内容が曖昧で解釈が分かれるケース
遺言書の内容が不明確な場合、相続人の間で解釈が分かれてしまい、トラブルに発展することがあります。例えば、「自宅の土地と建物は妻に任せる」「預貯金は長男と次男でいい具合に分けること」といった書き方です。
一見すると本人の思いがこもっているように見えますが、法律上の手続きでは「任せる」が「相続させる」という意味なのかが明確ではなく、名義変更の手続き(相続登記など)で法務局や金融機関から受け付けてもらえない可能性があります。
また、「いい具合に」という曖昧な表現では、長男と次男の意見が食い違った際に話し合いがまとまらず、結局は遺産分割協議で揉めてしまうことになります。
特定の相続人に偏った内容(遺留分の侵害)
「面倒を見てくれた長女に全ての財産を相続させる」といった、特定の相続人にのみ財産を譲る遺言書もトラブルの火種になります。日本の法律では、配偶者や子どもなどの法定相続人に対して、最低限受け取ることができる財産の割合である「遺留分(いりゅうぶん)」が保障されています。
この遺留分を無視した遺言書を作ってしまうと、財産をもらえなかった他の相続人が「自分の遺留分を侵害されているので、その分のお金を払ってほしい」と請求(遺留分侵害額請求)を起こすことができます。
結果として、全財産をもらった長女と、もらえなかった兄弟との間で泥沼の裁判に発展してしまうケースも少なくありません。
2. せっかく書いたのに…遺言書が無効になる主な原因
遺言書にはいくつか種類がありますが、ご自身で手書きする「自筆証書遺言」は、手軽に書ける反面、法律で定められた厳格なルールを少しでも破ると「無効」になってしまうという大きなリスクがあります。
自筆証書遺言の厳格なルール違反
自筆証書遺言は、「全文を自筆で書くこと(財産目録を除く)」「作成した日付を正確に書くこと」「署名と押印をすること」など、民法で細かくルールが決められています。よくある失敗として、以下のようなものが挙げられます。
- 日付を「令和○年○月吉日」と書いてしまった(特定の日付でないため無効)
- 手が疲れるからと、本文をパソコンで作って印刷し、署名だけ手書きにした(全文自筆ではないため無効)
- 書き間違えた際に、法律で定められた正しい訂正印の押し方・修正方法を守らずに二重線で消しただけだった(訂正が無効になる)
これらの形式不備があると、いくら故人の強い思いが込められていても、法的な効力を持つ遺言書としては認められません。
作成時の判断能力(遺言能力)が疑われるケース
遺言書が有効になるためには、作成した時点で本人に「遺言の内容を理解し、判断できる能力(遺言能力)」があったことが求められます。認知症が進行してから自筆で遺言書を書いた場合、亡くなった後に不満を持つ相続人から疑いをかけられることがあります。
「この遺言書を書いた時、お父さんはすでに重度の認知症で自分の意思で書けるはずがない。誰かに無理やり書かされたのではないか」といったケースです。
このような場合、当時の医療記録や介護記録などを巡って「遺言書は有効か無効か」を争う裁判になり、家族関係が完全に修復不可能になってしまうこともあります。
3. トラブルを防ぎ、確実に思いを残すなら「公正証書遺言」
ここまで自筆証書遺言のリスクをお伝えしましたが、こうしたトラブルや無効になる事態を確実に防ぐための方法があります。それが「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」の作成です。
公正証書遺言と自筆証書遺言の違い
公正証書遺言は、公証役場という公的な機関で、法律の専門家である「公証人」が作成する遺言書です。本人が公証人に遺言の内容を伝え、公証人がそれを正確な法律文章としてまとめます。公正証書遺言には以下のような大きなメリットがあります。
- プロが作成するため、形式不備で無効になるリスクが極めて低い
- 作成時に2名の証人が立ち会うため、本人の意思で作られたことが明確になる
- 原本が公証役場で厳重に保管されるため、紛失や偽造、家族による隠蔽の心配がない
- 亡くなった後、家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きを省略でき、すぐに名義変更ができる
専門家が関与する圧倒的な安心感
公証人は法的な不備がないかをチェックしてくれますが、「家族が揉めないための配慮(遺留分対策)」や「相続税がいくらかかるのか(節税対策)」まで踏み込んだアドバイスをしてくれるわけではありません。
そのため、遺言書を作成する際は、相続に強い専門家(税理士など)にあらかじめ相談し、一緒に内容を練り上げることが最も確実な方法です。当センターのように相続を専門とする窓口であれば、財産の全体像を把握した上でトータルサポートが可能です。
相続税の負担軽減や、遺留分に配慮した円満な財産の分け方まで、ご家族の状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。
4. まとめ:遺言書の作成・トラブル回避は専門家へご相談を
遺言書は、ご自身の思いを形にし、残された大切なご家族を守るための「最後の手紙」です。しかし、ルールを知らずに自己流で作成してしまうと、その思いが届かないばかりか、かえって家族を争いに巻き込んでしまう危険性があります。
せっかくの思いを無駄にしないためには、形式の不備がなく、内容にも万全の配慮がなされた「公正証書遺言」を作成することが一番の近道です。
岐阜で3,000件以上の相談実績を持つ「ぎふ遺言・相続支援センター」では、相続に強い税理士が中心となり、司法書士などの各士業と連携しながら、法的に確実でご家族の心に寄り添った遺言書の作成をワンストップでサポートしております。
「自分の場合はどのような遺言書にすればいいのか」など、少しでもご不安なことがありましたら、ぜひお気軽に当センターの無料相談をご利用ください。専門スタッフが丁寧にお話を伺い、最適な解決策をご提案いたします。

