遺留分計算に特別受益は含まれる?わかりやすく解説します!
2024年07月01日
相続が発生した際、特定の相続人が被相続人から生前に多額の贈与を受けていた場合、その贈与は「特別受益」として扱われることがあります。これが遺留分計算にどのように影響するのか、実際の計算方法と共にわかりやすく解説します。
特別受益とは何か?
特別受益とは、被相続人が存命中に一部の相続人に対して行った贈与や遺贈など、他の相続人とは異なる特別の利益を与えることを指します。これには、例えば結婚の際の持参金や高額な教育費の支援、不動産の譲渡などが含まれます。
特別受益の目的
特別受益の考え方は、遺産分割の公平を図るために存在します。もし特定の相続人が生前に多額の贈与を受けていた場合、その事実を無視して遺産分割を行うと不公平が生じる可能性があるため、特別受益を考慮に入れる必要があります。
遺留分とは?
遺留分とは、法定相続人が最低限受け取ることが保証されている遺産の割合を指します。これは、被相続人が遺言により自由に遺産を分配した場合でも、一定の割合を法定相続人が請求できるようにするためのものです。
特別受益が遺留分計算に与える影響
特別受益は、遺留分の計算において重要な役割を果たします。特別受益を受けた相続人がいる場合、その受益を遺産の総額に加算して遺留分を計算します。これにより、遺留分が不足している他の相続人がその不足分を請求できるようになります。
特別受益の計算例
たとえば、遺産総額が1億円、法定相続人が子供3人の場合を考えます。遺留分は遺産の1/2ですから、1億円の1/2の5000万円が遺留分総額となります。これを3人で分けると、一人あたり約1666万円が遺留分となります。
ここで、もし一人の子が生前に3000万円の特別受益を受けていた場合、その3000万円を遺産総額に加えて1億3000万円として遺留分を再計算します。すると、遺留分総額は6500万円となり、一人あたり約2166万円が遺留分となります。
このように特別受益を受けた相続人は、既に3000万円を受けているため、遺留分からその分を差し引いた金額が実際の遺留分の請求権となります。
まとめ
特別受益は、相続における公平性を保つために非常に重要な要素です。特別受益を受けた相続人がいる場合、その受益を遺留分計算に適切に反映させることで、法定相続人すべてに公平な遺産分割を保証することが可能となります。相続が予想される場合は、早めに専門家に相談し、特別受益を含めた遺産の適切な評価を行うことが望ましいでしょう。