株式を相続する際の手続きと節税ポイントをプロがわかりやすく解説!
2024年11月01日
株式が相続財産に含まれる場合、その手続きは思った以上に煩雑になります。特に上場株式と非上場株式では手続きの方法や注意点が異なります。本記事では、それぞれの株式相続の流れや、税務面での節税ポイントを詳しく説明します。事前に理解を深め、スムーズな相続を目指しましょう。
株式の種類と特徴
上場株式
上場株式とは、証券取引所で売買される株式のことです。市場価格が日々変動するため、相続の時点での評価が重要になります。
非上場株式
非上場株式は、証券取引所に上場していない会社の株式を指します。中小企業などがこれに該当し、市場価格がないため評価方法が複雑です。
株式の有無を確認する方法
上場株式の場合
- 証券会社からの残高報告書や取引状況報告書を確認
- 被相続人の通帳に証券会社からの入金があるかを調べる
- 株主総会の招集通知が届いていないか確認
- 貸金庫に株券が保管されていないか確認
- 証券保管振替機構(ほふり)に問い合わせて調査依頼
非上場株式の場合
- 法人税申告書の別表2(株主名簿の欄)を確認
- 株主総会の招集通知がないか確認
- 貸金庫に非上場株式が保管されていないか確認
上場株式の相続手続き
- 証券会社への連絡
取引のあった証券会社に問い合わせ、相続手続きを開始します。 - 相続人名義の証券口座開設
相続人が新たに証券口座を開設し、株式を移管します。 - 配当金の確認と手続き
配当金が発生している場合、銘柄ごとの信託銀行に問い合わせ、必要な手続きを行います。
非上場株式の相続手続き
- 株主名簿の変更
非上場企業に連絡し、株主名簿の名義を相続人に変更してもらいます。 - 株式の評価額を確認
非上場株式は市場価格がないため、専門家による適切な評価が求められます。 - 経営方針の検討
被相続人が経営していた企業の株式の場合、相続後の経営について相続人間で話し合う必要があります。
株式相続時の注意点
株価の変動リスク
株式は相続発生後も株価が変動します。遺産分割の時点での評価が重要になるため、相続手続きの早期着手が推奨されます。
譲渡所得税の発生
相続した株式を売却する際、譲渡所得税が発生するため、売却時期と取得価額の確認が必要です。
非上場株式の換価の難しさ
非上場株式は市場での流通が難しく、買い手を見つけるのに時間がかかることが多いです。専門家のサポートを活用することをおすすめします。
節税ポイント
- 相続税の小規模宅地等の特例を活用 自宅や事業用地に関する特例を適用することで、評価額を減額できます。
- 相続税評価額の適切な計算 上場株式の評価額は、相続開始日の終値が基準となるため、適切な計算が重要です。
- 非上場株式の贈与も検討 生前に非上場株式を贈与することで、相続税の負担を軽減することが可能です。
まとめ
株式の相続は、上場株式と非上場株式で手続きや注意点が大きく異なります。上場株式は証券会社を通じた手続きが必要であり、非上場株式では評価額の確認や経営方針の検討が重要です。また、株価の変動や譲渡所得税の発生など、税務面の影響も考慮する必要があります。
相続手続きをスムーズに進め、節税を実現するためには、専門家への早めの相談が不可欠です。当事務所では、相続手続きのサポートから節税対策まで、幅広いサービスを提供しております。株式相続にお悩みの方は、ぜひご相談ください。